前回のお話はこちら
体外受精へのステップアップをなんとか1年だけという期限付きで夫に許してもらいました。
病院は自宅近くの不妊治療専門レディースクリニック。
仕事もしつつ不妊治療に取り組みはじめました。採卵、移植、二段階移植、流産・・・妊娠。
喜びも悲しみもこの病院でたくさん経験しました。そして懇願していた赤ちゃんを授かり、無事に別の産院で出産することができました。
私の5年間の不妊治療をまとめます。
【何度も繰り返した採卵と移植】
最終的には、今現在で結局9回の採卵と15回の移植を行いました。
不妊治療している方ならこの時点で膨大な金額がかかっていることご理解いただけると思います。
38歳に迎えた移植で私は初めての妊娠と流産を経験しました。
妊娠判定日は何度迎えても慣れることはありませんでした。
もしかしたらという期待。
でも自分の体調は自分が一番わかっているから、どうにもならない失望感…
・・・でも、もしかしてって思ってしまう期待、その繰り返し。
血液検査の結果がでて、呼ばれる診察室。
私が部屋に入ると「今日は妊娠判定日ですね。血液検査の結果出てますので医師が来るまでお待ちください」と看護師にいわれて一人残される。
医師が来るまでに机にあらかじめ置いてある小さな検査結果の紙切れがいつも私を苦しめてました。
この数分がすごく長く重い時間にいつも感じでいました。
結果はいつもほぼ事前にわかっていました。
だいたいがフライング検査してましたから。
だけど、もしかしたらって思ってしまうんです。
自宅でやる尿検査より血液検査のほうが感度がよくて違う結果がでるんじゃないかとか。
1度目の陽性判定のときはフライング検査をしていない状態だったので寝耳に水状態。
とてもうれしかった。
「でも、hcgの数値がこの時期にしては低いんだよね・・・」確かにそう言われていたのに私には妊娠したって事実しかはいってこなくてあまり気にできていなかったかもしれません。
結果、胎嚢確認後に心拍確認ができずの稽留流産。この後も不妊治療中には3度の陽性判定後の流産を経験しましたが、いずれも心拍確認ができなかったり心拍が弱く次の診察までに成長がとまってしまいました。
【次女の妊娠】
1度目の流産後、1度移植をして陰性。
そして再チャレンジした7月の移植で次女を妊娠しました。
ギリギリ39歳でした。
この時は最初からhcg数値も問題なく、胎嚢、心拍確認もほんとにスムーズに何も問題なく卒業。
妊娠中も大きな問題はなにもなく至って順調に40歳の3月に次女を出産。
本当に幸せな妊娠生活でした。
つわりでさえうれしかった。
出産してからも、長女の時とはまた違ってお世話にも余裕が持てました。
時間の余裕、お金の余裕・・・ 20歳の時には持てなかったモノです。
幸せな育児をしている間ずっと気になっていたことがあります。
「たまご」のこと。
凍結していたたまごがあと2つあったんです。
不妊治療の再開
凍結していたたまごは1年で保管期限が切れるので、次女が半年くらいの時に1度目の保管延長手続きをしました。
不妊治療が再開できるのは、授乳をやめてさらに生理が再開して3回経ってからだと聞いていました。
生後半年で授乳時間がかわいくて仕方なかったこの時に卒乳は考えてもいません。
「なんだったら3歳くらいまで飲みたいだけ飲ませてあげてもいいな」なんて思っていたほど。
でも離乳食もスムーズにすすみ1歳10ヶ月になった時たまたまタイミングがうまくいき
卒乳を迎えることになりました。
そうなると気になるのがやっぱり残したたまごたち。
私の妹は3人のママでそれぞれ2歳ずつ離れての子育てをしていて
一緒に遊ぶ姿をみて、もう一人こどもがいたら・・・と考えることが増えていました。
もちろん、夫も同じ気持ち。
それに我が家の場合、長女と次女は20歳の年の差姉妹。
姉妹とは言え、一人っ子ずつが二人いる状態です。
たまごは次女と同じタイミングで採卵した子たちだから、すんなり妊娠するかもしれない・・・
そんな淡い期待を持ち、残りの2つのたまごを移植して終わる予定で不妊治療を再開することにしました。
ガースー総理の不妊治療保険適用がはじまった!
同時に二段階移植でたまごを移植することにしました。
でも、結果は着床もせず。
なんだかすっかり気が抜けました。
勝手に妊娠できるって思いこんでいたんです。
夫と何度も話をしてるころ菅総理大臣の「不妊治療の保険適用」がはじまりました。
これまで、不妊治療に関する医療費は、医師が妊娠しやすい時期を指導するタイミング法など一部を除いて健康保険が適用されていませんでした。
でも適用範囲が見直され、体外受精や顕微授精などの、高額な医療費がかかる高度生殖補助医療にも拡大されることになったのです!!
体外受精や顕微授精の治療費は、1クール数十万円と高額です。
体外受精の費用は、1クール当たり平均で約50万円・・・
しかも今まであった助成金制度には所得制限があり共働きのわが家は対象外となっていました。
私の給与以上の金額が口座からどんどんなくなっていきました。
そんな中、保険適用の拡大によって、不妊治療の経済的負担はかなり減りました。
ただし、利用できる人の年齢や治療法には要件があり、だれでも自由に治療を受けられるわけではない。とくに私の場合は年齢がもう42歳。
不妊治療の対象者や給付回数は2022年3月までの特定治療支援事業の助成金と同じで、治療開始時に女性の年齢が43歳未満の夫婦に限る。
また、1子当たりの給付回数は40歳以上43歳未満は通算3回。
●43歳未満の女性なら、回数制限つきで高度生殖補助医療も保険適用に!
●高額療養費が適用されると50万円の体外受精が約8万円の自己負担で済む場合も!
不妊治療をできる年齢や利用できる回数に制限はあるものの、今回の保険適用の拡大は、不妊に悩む人にとって好材料であることは確か。
それはわたしにとっても同じ。
余裕をもって子育てができるようになっていたことや
40代で授かった次女がかわいくてかわいくて仕方なかったのも理由の一つだと思います。
保険適用になったというのは治療を続ける理由付けでした。
不妊治療続けてなんとかもう一人赤ちゃんを育てたいと強く思うようになったんです。